前期 XH§2 問題文をクリックすると解答をみることができます. (214) 確率の定義 †ある試行において, 起こり得る結果の全体を集合 で表し, で表される事象を全事象という. 全事象は必ず起こる事象である. また,すべての事象は の部分集合で表すことができる. とくに, の1個の要素だけからなる集合で表される事象を根元事象という. 根元事象のどれもが同じ程度に起こると期待できるとき, 根元事象は同様に確からしいという. ある試行において,
全事象 の根元事象の個数は, であり,
どの根元事象も同様に確からしいとする.
である. 袋の中の玉を等確率に取り出すように玉をすべて区別しましょう. 与えられた状況を的確にとらえましょう.場合分けが多くなったときは余事象を考えてみるのも手です. (215) 確率の基本性質 †(1) 全事象 の部分集合 に対して (2) 事象 , に対し 特に , が互いに排反のとき (3) の余事象 に対し 実は,A,Bの玉の取り出す確率は,玉を取り出す順序に関係しません. (216) 最大値・最小値 †条件を満たす目の出方を正しく数えましょう.最大値がMで最小値がmであるということは,すべての目がm以上M以下であり,少なくとも1つはMの目が出てかつ少なくとも1つはmの目が出るということです. さいころをn回振るときの出た目の最大値がMであるということは,出た目はすべてM以下であり,かつMの目が少なくとも1つ出るということです.最小値Lについても同じように考えましょう. (217) 独立な試行 †2つの試行S,Tが互いに他方の結果に影響を与えないとき, 2つの独立な試行S,Tを行うとき,Sでは事象 が起こり,
である. 各対戦は独立な試行です. 6の目が出た回で試行は終了します. (218) 反復試行 †同じ条件のもとで同じ試行を何回か繰り返し行うとき,各回の試行は独立である. 1回の試行で事象Aが起こる確率をpとする. この試行をn回繰り返す反復試行において, Eがちょうどr回起こる確率は
である. 得点が3点となる回数で場合分けするとよいでしょう. (1)表裏の出る回数を把握しましょう. 1回のサイコロ投げにおいて移動は3通りあります. (219) 条件付き確率,確率の乗法定理 †事象 が起こったときに事象 が起こる確率を,
である.これにより次の等式が得られる. (確率の乗法定理) 条件付き確率ですが,これは結果がわかったときに,それより以前の確率を求めるものであり,原因の確率と呼ばれています. 条件付き確率(原因の確率)のオンパレードです. (220) 確率の漸化式 †n回目に事象が起こる確率を とすると n+1 回目に が起こるのは (i) n回目に が起こって, n+1 回目に が起こる または (ii) n回目に が起こらず, n+1 回目に が起こる のいずれかであるり
の形で表すことができる. 確率と漸化式の融合問題です. (1)n秒後からn+1秒後の状況変化を式で表しましょう. |